保険ショップへの規制

2月18日、金融庁は、保険販売に関して、保険業法に基づく政府令・監督指針改正案を公表し、複数の保険商品を扱う保険ショップ(乗り合い代理店)への規制強化を明らかにしました。

乗り合い代理店とは、例えば「ほ○んの窓口」のような、複数の保険商品の中から顧客に合った商品を勧める代理店のことです。

この業態は、顧客に対して、あたかも無償で中立なアドバイザー的立場から相談に乗ってくれるかのような誤解を与えている、と前から思っていました。広告でも、「あなたに合った保険を専門家が無料アドバイス」などと謳っており、それだけ見ると、販売代理店であることを意図的に隠しているかのように思えます。

しかし実際には、乗り合い代理店は、単に複数の保険会社の商品を扱っている保険販売代理店にすぎないのです。したがって、保険を勧めて顧客に販売すれば、保険会社(日本生命やソニー生命など)から手数料が入るのであり、顧客から相談料を受け取らないのは当たり前です。無料で相談に乗っているのではなく、単に保険の営業をしているだけです。

一番の問題は、商品によって代理店が受け取れる手数料に違いがあるため、代理店は、顧客のニーズに最も合った保険を勧めるのではなく、代理店に一番多く手数料が入る保険を勧めるインセンティブが働くということです。

金融庁は、このことを問題視しており、今回公表した「保険業法施行規則」及び「保険会社向けの総合的な監督指針」の改正案おいて、複数保険会社の商品から比較推奨して販売する場合、「比較可能な商品の概要」、「特定の商品の比較推奨を行う理由」についての情報を、顧客に対して提供するよう求めています。

また、保険ショップは、保険会社から受け取る手数料を記載した事業報告書を、年に1回金融庁に提出することが義務付けられ、手数料の高い保険に偏った販売をしていないかどうかのチェックを受けることになります。

販売による利益の高い商品を勧めるというのは、保険ショップに限ったことではなく、例えば、銀行や証券会社から複雑な変額保険や仕組み債などを売りつけられた、などというトラブルも発生しています。しかし、この場合は、金融商品の販売による利益が銀行や証券会社に入ることは顧客も承知の上ですので、営業成績を上げるために勧めていることはわかりやすいですが、保険の乗り合い代理店の場合は、中立なアドバイザーのように装っているケースがあることが、より大きな問題といえます。

もっとも、乗り合い代理店は、複数の保険会社の商品を比較して選ぶことができるというメリットがありますので、これを利用することを否定するつもりはありません。代理店は販売により手数料を得るビジネスであるということをきちんを理解し、言われるままではなく自分で比較検討した上で保険に入るようにすれば、消費者にとって便利なものであるはずです。

むしろ、特定の保険会社の営業マンに相談するよりも、特色のあるいろんな保険会社の商品を比べられるというメリットがあると思いますので、うまく活用すればよいと思います。

テレビCMでやっているものだけでなく、探すといろんな乗り合い代理店があることがわかりました。以下、いくつかの代理店のバナーを貼り付けます。もちろん、相談するだけなら「無料」です。















今回の規制により、より消費者の立場に立った保険販売がなされることになればいいと思います。

収入保障保険の受け取り方と税金の関係

前回、住宅ローンを組むにあたり加入する団信と民間の収入保障保険との違いについてお話ししましたが、収入保障保険の保険金受取りの方法を、団信と同じような効果を持つ死亡時一括受取りではなく、本来の(?)受取り方法である毎月一定額の受取りを選択した場合の税金面での違いについて、お話ししたいと思います。

私が住宅ローンを組んだときに実際に加入した、NKSJひまわり生命(現:損保ジャパン日本興亜ひまわり生命)の「無配当無解約返戻金型収入保障保険『家族のお守り』」を例にしたいと思います。

私の場合、私が死亡した場合に、私が70歳になるはずの年まで相続人が毎月21万円を受け取ることのできる収入保障保険に加入しましたが、もし契約後1年目で私が死亡した場合には、相続人は32年間毎月21万円を受領できることになるため、受取金額の合計額は8,064万円となります。一方、一括受取りを選択した場合には、受取金額は約6,157万円となります。将来受け取る金銭を死亡時に一括して受け取るのですから、一括の方が割り引かれるのは当然のことです。通常、一括受取りを選択すると、分割払いで受け取る額の合計より2割程度少なくなるようです。

一括受取りを選択した場合、その生命保険金は相続税の対象となります(受取人が相続人であることが前提)。生命保険金の場合は、500万円×相続人の人数が非課税となりますが、それを超える部分については、他の資産と合計して相続税の対象資産となってしまいます。

一方、契約期間中毎月一定額を受領する受取方法を選択する場合は、その保険金は、死亡時には発生していないのですが、将来受け取ることになる保険金として、相続開始時点における受給権評価額が相続税の対象になります。

受給権の評価額は、一括受取りができる場合の金額とされることが多く、結局、一括受取りを選択するのと同じだけでの相続税が発生してしまいます。

毎月受給を選択した場合には、それだけではなく、相続人が毎月受け取る金額は雑所得という扱いになるため、相続人に所得税がかかることになります。相続人に他の所得がある場合には、所得税は累進課税ですので、所得税でかなり持っていかれることもありえます。

したがって、収入保障保険の受取り方法として、毎月一定額の受取りを選択する場合には、総額は一括受取りよりも多くなる半面、所得税が余分にかかるため、どちらが得になるか、よく検討する必要があります。

なお、収入保障保険の受取り方法は、被保険者が死亡した時点で選択できることが多いと思われ(私の加入した保険もそうです)、加入時に決める必要はありませんので、被保険者が死亡したときの資金繰りや相続人の収入状況に応じて決めるのがよいと思います。





住宅ローンの団信と民間保険との違い

住宅を購入するにあたって住宅ローンを組む場合、通常、団体信用生命保険(団信)に加入することになります。

団体信用生命保険は、住宅ローンの債務者がローン返済中に死亡した場合に、残債務が免除となる生命保険のことですが、住宅ローンを実行する金融機関により、団信への加入が義務づけられているところが多いと思います。

私が家を購入したときは、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」を利用したのですが、フラット35では、団信は義務付けられていません(提携している団信はあります)。

そこで、フラット35が提携する団信に加入するか、それとも民間の他の保険を利用するか、いろいろ検討して比較してみました。

民間の保険を団信の代わりにする場合、「収入保障保険」が一番団信に近い保険です。

収入保障保険は、被保険者が死亡した場合に、相続人が毎月一定額の収入保障を受けられるというものですが、契約の期間中毎月一定額を受け取るほかに、それらを一括で死亡時に受け取るというオプションがあります。この一括受取を選択したときの受取額が住宅ローンの残高と同じぐらいになるように設定すると、債務者が死亡したときにちょうど住宅ローン残高と同程度の保険金が受け取れ、ローンが帳消しになるのです。

死亡する時期が先になると、それだけ住宅ローンの残高も小さくなっていきますが、収入保障保険の契約残期間も短くなっていきますので、一括で受け取る保険金額も小さくなり、ちょうど団信と同じような機能を持つ保険になるというわけです。

このように、民間の保険で団信と同じような機能を持たせることができますが、団信と民間保険では、以下のような違いもあります。

① ローンの繰上返済をした場合の影響の違い

まず、団信の場合、保険料はローン残高によって決定される年払いとなっており、住宅ローンを組んだ最初の年が一番保険料が高く、ローンの返済をするにつれて保険料が安くなっていきます。そしてローンを繰上返済した場合には、それ以降の保険料も残高の減少に応じて安くなっていきます。

一方、民間の収入保障保険は、契約期間中一定額の保険料で固定されますので、毎年同額の保険料を支払い続けることになります。そのため住宅ローンを組んだ当初は団信よりもずっと安い保険料で済むのですが、ローンの返済が進んでも、保険料が安くなることはありません。そして、ローンの繰上返済をしても保険に影響はありませんので、「保険の掛け過ぎ」状態になることになります。

② 相続税の取扱いの違い

団信の場合、債務者が死亡した場合には、生命保険金は金融機関に支払われ、ローン返済に充てられるため、単純に住宅ローンが免除になることになります。

一方、民間の収入保障保険の場合には、一括で受け取る生命保険金は受取人である相続人に支払われ、ローンはそのまま残ります。支払われる生命保険金とローン残高が同額の場合、団信と同様にローンを帳消しにできるため、団信と全く同じであるように思えますが、実は、相続税の計算において違いがあります。

相続人が受け取る生命保険金も相続税の対象になりますが、法定相続人の数×500万円の非課税枠があります。例えば、夫が死亡した場合に、妻と2人の子が残された場合、相続人3人×500万円=1,500万円は非課税となり、受け取った生命保険金からこれを控除した金額が、相続税の課税対象となります。

このことは、他に大きな相続財産がある場合には、意味を持ちます。例えば、資産を1億円、収入保障保険によりカバーされたローンを5,000万円持つ人が相続人3人を残して亡くなった場合、相続税の対象となる財産は、資産1億円からローン残高5,000万円を控除したものに、受取生命保険金の非課税枠を超える3.500万円(5,000万-500万×3人)を加えた8,500万円となります。

一方、5,000万円のローンが団信によりカバーされている場合には、単純にローンが免除となるだけなので、資産1億円が相続税の対象となります。つまり、団信の場合には、生命保険金の非課税枠が使えない分だけ、相続税の対象となる財産が多くなってしまうわけです。

このように、団信と比べて、民間の生命保険を用いることは、相続税の計算において非課税枠の分だけ有利になります。もっとも、住宅ローンのために加入する収入保障保険のほかに、一般の生命保険に加入している場合、その保険で非課税枠を使い切っていることもありえます。非課税枠は、保険ごとにあるのではなく、全ての生命保険に共通だからです。

収入保険に加入したときに、保険金を一括受取りとせずに毎月受取りとした場合の税金の取扱いの違いについては、機会を改めてお話ししたいと思います。





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KANEMOCHI TOSAN

Author:KANEMOCHI TOSAN
金持ち父さんを目指して日々勉強&実践に励む過程を記録したブログです。2014年9月9日にスタートしました!
目標は、働かずして旅行三昧できる億万長者になること。
株式投資・為替・不動産・保険・法律・税金・読書・旅行など、興味ある様々な分野について考えていること、実践したことを書き綴ります。

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