インフレと金利と通貨の関係
高インフレ/低インフレ(デフレ)、高金利/低金利、通貨高/通貨安の関係について考えてみたいと思います。
最近円安が進んでいますが、その理由として、日米の金利差が広がっている、すなわち、日本では低金利が続いているがアメリカでは利上げが意識されていることから、高い利回りを求めて高金利通貨が買われていると説明されることがあります。
では高金利と通貨高、低金利と通貨安は結びつくのでしょうか?
経済学的に言えば、結論はノーです。高金利の通貨は中長期的には安くなるというのが結論です。
インフレ率の高低、金利の高低、通貨の高低には、互いに相関関係があります。経済学的には、以下の組み合わせが正しいということになっています。
高インフレ-高金利-通貨安
低インフレ-低金利-通貨高
インフレと金利の関係は、比較的わかりやすいと思います。インフレ率の高い国では、金利が高くないと、誰もお金を預けたり、貸したりはしません。インフレによって通貨の価値は下がり続けるので、それを補うだけの金利が得られないと、損をしてしまいます。
インフレと通貨の関係も、わかりやすいと思います。インフレによって物の価格が上がるということは、通貨の価値が下がることを意味しますので、他国通貨との関係でも、高インフレ国の通貨の価値は下がります。1ドル100円の時代に1個100円で売られていたアンパンがインフレにより200円になれば、1ドルは200円の価値を持つことになりますので、その分円安になるというわけです。
上記のようにインフレを起点に考えると、金利高と通貨安とは結びつけやすくなります。高金利の国は、基本的にインフレ率が高いため、中長期的に見ると、通貨安になるのです。
南アフリカの通貨、南アフリカランドを例にするとわかりやすいです。南アフリカランドは、高金利で有名で、外貨預金でも定期預金で4%を超える金利がついています。そのため、低金利にあえぐ日本では、一定の人気を誇っています。
しかし、南アフリカは、高金利であると同時に、高いインフレにも見舞われており、そのため、南アフリカランドは、かなりの勢いで通貨安に見舞われています(ボラティリティが高いので、一律に下落しているわけではなく、かなり激しく上下に変動しています)。
したがって、金利高だけに目をつけて南アフリカランド建ての外貨預金をするのは大変危険です。下手をすると、得られる金利以上に通貨安による為替差損を抱えることになりかねません。
また、日本において、「低インフレ-低金利-通貨高」が見事にマッチした例は、2000年以降、アベノミクスが始まるまでのデフレ、超低金利、円高の時代でしょう。この時代は、円高が行き過ぎていると言われていましたが、あれだけのデフレ、超低金利が続けば、円高になるのは当然だったのです。
では今後の日本とアメリカはどうでしょうか。
日本では低金利が続いていますが、アメリカが今後利上げのタイミングを探っていることから、上記のような原則論からすれば、日本円は米ドルに対して高くなっていくのでしょうか?
答えはノーと言わざるを得ません。確かに低金利と通貨高は結びつくと先ほども説明しましたが、それは、金利が経済原理に従って国の経済情勢を反映したものとなっていることが前提です。
今の日本では、日銀がバズーカー砲とも言われる程の規模で国債を購入し、無理やり金利を下げています。本来であれば、日本は金融緩和によりインフレに向かうはずなので、この低金利は、「作られた低金利」でしかないのです。
そのように考えると、日本は低金利であっても、今後米ドルに対して安くなることは経済原則から言ってもおかしいことではなく、むしろ、今後の経済成長や貿易赤字の推移からして、米ドルが高くなると考える方が自然だと言えます。
最近円安が進んでいますが、その理由として、日米の金利差が広がっている、すなわち、日本では低金利が続いているがアメリカでは利上げが意識されていることから、高い利回りを求めて高金利通貨が買われていると説明されることがあります。
では高金利と通貨高、低金利と通貨安は結びつくのでしょうか?
経済学的に言えば、結論はノーです。高金利の通貨は中長期的には安くなるというのが結論です。
インフレ率の高低、金利の高低、通貨の高低には、互いに相関関係があります。経済学的には、以下の組み合わせが正しいということになっています。
高インフレ-高金利-通貨安
低インフレ-低金利-通貨高
インフレと金利の関係は、比較的わかりやすいと思います。インフレ率の高い国では、金利が高くないと、誰もお金を預けたり、貸したりはしません。インフレによって通貨の価値は下がり続けるので、それを補うだけの金利が得られないと、損をしてしまいます。
インフレと通貨の関係も、わかりやすいと思います。インフレによって物の価格が上がるということは、通貨の価値が下がることを意味しますので、他国通貨との関係でも、高インフレ国の通貨の価値は下がります。1ドル100円の時代に1個100円で売られていたアンパンがインフレにより200円になれば、1ドルは200円の価値を持つことになりますので、その分円安になるというわけです。
上記のようにインフレを起点に考えると、金利高と通貨安とは結びつけやすくなります。高金利の国は、基本的にインフレ率が高いため、中長期的に見ると、通貨安になるのです。
南アフリカの通貨、南アフリカランドを例にするとわかりやすいです。南アフリカランドは、高金利で有名で、外貨預金でも定期預金で4%を超える金利がついています。そのため、低金利にあえぐ日本では、一定の人気を誇っています。
しかし、南アフリカは、高金利であると同時に、高いインフレにも見舞われており、そのため、南アフリカランドは、かなりの勢いで通貨安に見舞われています(ボラティリティが高いので、一律に下落しているわけではなく、かなり激しく上下に変動しています)。
したがって、金利高だけに目をつけて南アフリカランド建ての外貨預金をするのは大変危険です。下手をすると、得られる金利以上に通貨安による為替差損を抱えることになりかねません。
また、日本において、「低インフレ-低金利-通貨高」が見事にマッチした例は、2000年以降、アベノミクスが始まるまでのデフレ、超低金利、円高の時代でしょう。この時代は、円高が行き過ぎていると言われていましたが、あれだけのデフレ、超低金利が続けば、円高になるのは当然だったのです。
では今後の日本とアメリカはどうでしょうか。
日本では低金利が続いていますが、アメリカが今後利上げのタイミングを探っていることから、上記のような原則論からすれば、日本円は米ドルに対して高くなっていくのでしょうか?
答えはノーと言わざるを得ません。確かに低金利と通貨高は結びつくと先ほども説明しましたが、それは、金利が経済原理に従って国の経済情勢を反映したものとなっていることが前提です。
今の日本では、日銀がバズーカー砲とも言われる程の規模で国債を購入し、無理やり金利を下げています。本来であれば、日本は金融緩和によりインフレに向かうはずなので、この低金利は、「作られた低金利」でしかないのです。
そのように考えると、日本は低金利であっても、今後米ドルに対して安くなることは経済原則から言ってもおかしいことではなく、むしろ、今後の経済成長や貿易赤字の推移からして、米ドルが高くなると考える方が自然だと言えます。