ユーロの将来
世界がギリシャ問題に揺れています。
週末、ユーロ圏財務相会合において、ギリシャが求める金融支援の期限延長が拒否され、ギリシャが今日期限を迎える国際通貨基金(IMF)への16億ユーロの債務返済は、不履行となることがほぼ確実となりました。
ギリシャでは、7月5日に国民投票が行われ、EU債権団が求める緊縮財政を受け入れるかどうかを国として決定することにしていますが、結果がどのように転ぶかは、依然として不透明です。
仮に緊縮財政拒否となれば、ギリシャはEU圏からの脱退を迫られるかもしれません。緊縮財政を受け入れたとしても、税率アップ、年金削減などで、ギリシャ経済はボロボロになることは間違いなく、支援の延長を受けたところで、根本的に経済状態がよくなることはありません。
いずれにしても、経済力が全く異なる国々が同一通貨を使用するという、ユーロ経済圏は、根本からその意義を問われていると思います。
今後、ギリシャのような問題がスペインやイタリアに飛び火することは、簡単には起こらないと思いますが、EU圏の南北格差問題は、今後も引き続き、火種になることでしょう。
さて、ユーロ円相場ですが、週末に大きな動きがあったことで、週明けの昨日は、一時133円台に突入するほどの円高・ユーロ安で始まりました。
しかし、その後はユーロは盛り返し、私にとっても意外だったのですが、今日の明け方には、先週までの水準とあまり変わらない138円付近まで上昇しました。その後は反落し、現在は、136円台半ばで推移しています。
ユーロが週明けに一気に5円も下落した後、ここまで回復したことに驚きましたが、これは、ユーロ売りをしていた投資家によるユーロの買戻しが主な理由のようです。その後は下落に転じていますが、どこまで下がるのかは予想が難しいです。
【ユーロ/円相場チャート(30分足)】(GMOクリック証券チャートから引用)
現在、EUは量的金融緩和を行っており、2016年9月まで継続されることが決まっていますが、ヨーロッパの景気動向次第では、延長される可能性も否定できません。ただ、最近では、EU圏の脱デフレ傾向が各種経済指標からも見えてきていますので、予想以上に景気が回復してくれば、早期終了というシナリオもありえます。
今回のギリシャ支援問題は、基本的にEU圏の景気回復には大きな悪影響を及ぼすことはないと思いますが、ギリシャがユーロ圏脱退となると、前例がない事例となるだけに、ヨーロッパ経済にどれだけの影響が出るかは予想できません。
いずれにしても、今回のことで、ユーロという統一通貨に対する信認に傷がついたことは確かですので、ユーロは今後、金融緩和政策が早期終了するなどのイベントがなければ、あまり大きく上昇する余地はないのではないかと思います。
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週末、ユーロ圏財務相会合において、ギリシャが求める金融支援の期限延長が拒否され、ギリシャが今日期限を迎える国際通貨基金(IMF)への16億ユーロの債務返済は、不履行となることがほぼ確実となりました。
ギリシャでは、7月5日に国民投票が行われ、EU債権団が求める緊縮財政を受け入れるかどうかを国として決定することにしていますが、結果がどのように転ぶかは、依然として不透明です。
仮に緊縮財政拒否となれば、ギリシャはEU圏からの脱退を迫られるかもしれません。緊縮財政を受け入れたとしても、税率アップ、年金削減などで、ギリシャ経済はボロボロになることは間違いなく、支援の延長を受けたところで、根本的に経済状態がよくなることはありません。
いずれにしても、経済力が全く異なる国々が同一通貨を使用するという、ユーロ経済圏は、根本からその意義を問われていると思います。
今後、ギリシャのような問題がスペインやイタリアに飛び火することは、簡単には起こらないと思いますが、EU圏の南北格差問題は、今後も引き続き、火種になることでしょう。
さて、ユーロ円相場ですが、週末に大きな動きがあったことで、週明けの昨日は、一時133円台に突入するほどの円高・ユーロ安で始まりました。
しかし、その後はユーロは盛り返し、私にとっても意外だったのですが、今日の明け方には、先週までの水準とあまり変わらない138円付近まで上昇しました。その後は反落し、現在は、136円台半ばで推移しています。
ユーロが週明けに一気に5円も下落した後、ここまで回復したことに驚きましたが、これは、ユーロ売りをしていた投資家によるユーロの買戻しが主な理由のようです。その後は下落に転じていますが、どこまで下がるのかは予想が難しいです。
【ユーロ/円相場チャート(30分足)】(GMOクリック証券チャートから引用)
現在、EUは量的金融緩和を行っており、2016年9月まで継続されることが決まっていますが、ヨーロッパの景気動向次第では、延長される可能性も否定できません。ただ、最近では、EU圏の脱デフレ傾向が各種経済指標からも見えてきていますので、予想以上に景気が回復してくれば、早期終了というシナリオもありえます。
今回のギリシャ支援問題は、基本的にEU圏の景気回復には大きな悪影響を及ぼすことはないと思いますが、ギリシャがユーロ圏脱退となると、前例がない事例となるだけに、ヨーロッパ経済にどれだけの影響が出るかは予想できません。
いずれにしても、今回のことで、ユーロという統一通貨に対する信認に傷がついたことは確かですので、ユーロは今後、金融緩和政策が早期終了するなどのイベントがなければ、あまり大きく上昇する余地はないのではないかと思います。
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