東芝グループは解体へ
東芝(6502)をめぐる混乱は、まだしばらくは続きそうです。
東芝は、半導体メモリ事業を分社して子会社化した後、その株式を売却することで資金調達をしようとしていますが、より高値で売却するため、全株式を手放すことも視野に入れているようです。
東芝の半導体メモリ事業の価値は2兆円程度あると言われており、これを全部売却すれば、東芝本体の債務超過は解消され、資産超過の状態になることが予想されます。
現在、東芝の2017年3月期末での債務超過額は1500億円と見積もられていますが、半導体メモリ事業を売却すれば大半が利益となり、全部売却すれば、1兆数千億円の利益が生まれると見込まれています。そうすると、半導体メモリ事業を売却することで、東芝のバランスシートは、1兆円を超える資産超過になることも考えられます。
しかし、事態はそう単純ではなかったようです。
東芝は、米国の原子力事業子会社、ウエスチングハウス(WH)で7000億円の減損が発生する見通しですが、昨日、ロイター通信において、WHが米国の連邦破産法11条の適用による倒産手続を開始した場合、東芝の連結決算には新たに3000億円弱の損失が生じる可能性があると試算されていると報じられました。
また、仮に倒産手続に入らない場合には、先の7000億円の損失に加えてさらに損失が拡大するおそれがあり、東芝では、WHを存続させることで増加する損失額と、倒産手続開始により発生する3000億円の損失とを比較検討しているということです。
したがって、東芝が被る損失は7000億円の減損に留まらないということになり、半導体メモリ事業を全部売却したとしても、まだまだ予断を許さない事態にあることがわかります。
こうしている間にも、東芝は、持ち分法適用会社である東芝機械(6104)の株式を売却するなど、なりふり構わず資産の切り売りを始めています。
こうした資産の切り売りをしていけば、その結果債務超過を免れたとしても、東芝本体には収益性の高い事業が残らない、まさに残りカスのような会社になってしまう懸念があります。
先日、シャープに出資して事業の立て直しをすることになった台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)が東芝の半導体メモリ事業の買収に意欲を見せたと報じられ、東芝もシャープと同様に立ち直ることができるのではないかとの期待を持つ向きもありましたが、東芝とシャープとは、状況が全く違います。
シャープの場合、主力事業はそのままで、鴻海がシャープ本体に出資する形で経営に参加しましたが、東芝の場合は、鴻海は切り離される半導体メモリ事業を買収する可能性があるだけで、残りカスの東芝本体の経営にはタッチもしないし、出資も行いません。
したがって、鴻海が乗り出したというだけで東芝の将来に光が差したなどと考えるのは全くの間違いです。鴻海は、シャープの時も、少しでも安く出資するために狡猾に交渉するなど、抜け目がありません。東芝の半導体に対しても、簡単に高値を提示することはないと考えてよいでしょう。
東芝本体が残りカスになっていくことを考えると、時価総額が9000億円を超える今の株価は、どう考えても高すぎると思うのですが、マネーゲームに参加している投資家の方は、別の考え方をしているのでしょうか・・。


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東芝の半導体メモリ事業の価値は2兆円程度あると言われており、これを全部売却すれば、東芝本体の債務超過は解消され、資産超過の状態になることが予想されます。
現在、東芝の2017年3月期末での債務超過額は1500億円と見積もられていますが、半導体メモリ事業を売却すれば大半が利益となり、全部売却すれば、1兆数千億円の利益が生まれると見込まれています。そうすると、半導体メモリ事業を売却することで、東芝のバランスシートは、1兆円を超える資産超過になることも考えられます。
しかし、事態はそう単純ではなかったようです。
東芝は、米国の原子力事業子会社、ウエスチングハウス(WH)で7000億円の減損が発生する見通しですが、昨日、ロイター通信において、WHが米国の連邦破産法11条の適用による倒産手続を開始した場合、東芝の連結決算には新たに3000億円弱の損失が生じる可能性があると試算されていると報じられました。
また、仮に倒産手続に入らない場合には、先の7000億円の損失に加えてさらに損失が拡大するおそれがあり、東芝では、WHを存続させることで増加する損失額と、倒産手続開始により発生する3000億円の損失とを比較検討しているということです。
したがって、東芝が被る損失は7000億円の減損に留まらないということになり、半導体メモリ事業を全部売却したとしても、まだまだ予断を許さない事態にあることがわかります。
こうしている間にも、東芝は、持ち分法適用会社である東芝機械(6104)の株式を売却するなど、なりふり構わず資産の切り売りを始めています。
こうした資産の切り売りをしていけば、その結果債務超過を免れたとしても、東芝本体には収益性の高い事業が残らない、まさに残りカスのような会社になってしまう懸念があります。
先日、シャープに出資して事業の立て直しをすることになった台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)が東芝の半導体メモリ事業の買収に意欲を見せたと報じられ、東芝もシャープと同様に立ち直ることができるのではないかとの期待を持つ向きもありましたが、東芝とシャープとは、状況が全く違います。
シャープの場合、主力事業はそのままで、鴻海がシャープ本体に出資する形で経営に参加しましたが、東芝の場合は、鴻海は切り離される半導体メモリ事業を買収する可能性があるだけで、残りカスの東芝本体の経営にはタッチもしないし、出資も行いません。
したがって、鴻海が乗り出したというだけで東芝の将来に光が差したなどと考えるのは全くの間違いです。鴻海は、シャープの時も、少しでも安く出資するために狡猾に交渉するなど、抜け目がありません。東芝の半導体に対しても、簡単に高値を提示することはないと考えてよいでしょう。
東芝本体が残りカスになっていくことを考えると、時価総額が9000億円を超える今の株価は、どう考えても高すぎると思うのですが、マネーゲームに参加している投資家の方は、別の考え方をしているのでしょうか・・。

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